2009年 08月 28日
夏よ!
程良い暑さの夏が淡々と通り過ぎ、気が付けば秋の空。
風も曇も太陽の光も、真夏のそれとどんどん入れ替わっていく。
鮎師達も不漁のアユには早々と見切りを付け、BFKへと早替わり。
取り憑かれたように川魚たちをバキュームし始めていた。
やはり、再開を楽しみにあちこちうろついてみるが、どこの川も魚信は少ない。
川沿いのボサに付いた踏分道や、捨てられたばかりの釣具の空き袋なんかを見つけてはがっかりしきり。
3人で三日通い詰めて300尾も釣ったなんてニヤニヤ話されても「ああそうですか・・・。」としか言えない自分が情けない。
この時期魚達に出会うためにまずは、BFK=餌釣師の行動の裏を斯く必要がある。
つまり長竿が振りにくかったり、川歩きがしんどかったり、竿抜け区間があると思しき川をピンポイントで攻めて行くしかないのだ。
そんなBFKが苦手そうな、ボサがはびこる谷間の暗い川へと分け入ってみた。
程なく手応えがあり、ややや?
なんと既に、真っ黒にサビているではないか・・・。
この川は日差しが少なく水温も低く、早くからサビてくる川とは言えこの時期(8月20日)にとは、ちょっと驚いた。
しかも一区間300m、12匹のヤマメすべてが寂びていたというのは過去の記憶に無い。
もう秋なのか・・・?
水の冷たさと黒の魚体に寂しさが急に込み上げて来て、その日は逃げるように釣りを切り上げてしまった。
そんな寂びた気持に「喝!」を入れるべく数日後、今度は日差しのある里川に出向いた。
BFKとしてはわざわざ攻めるべくもないボサ区間が点在する、まさにこの時期狙い目の里川。
読みはズバリと当たった。
夏色のヤマメが手に踊る!
こうでなくっちゃ!夏はまだまだ終わっちゃいない!!
今はまだ鋭い太陽光線に汗だくになりながら、ボサの中を貪る様に釣り上がった。
さて数尾の夏ヤマメに満足しそろそろ上がろうかと思った頃、この日唯一のイワナが釣れて来た。
しかしそのデップリとした魚体は既に寂びていて、早過ぎる秋はここにも迫って来ている事を告げていた。
もう秋かよ・・・。
しかしその姿をカメラに収めようとしたその瞬間!手の中で突然バシャリとはじけ、秋岩魚は何事も無かった様にゆっくりと流れの中に去っていった。
まるで夏が過ぎ去っていくかのように・・・。
えっ?そ、そんなぁ、そんなのって・・・ カレンダーはまだ8月なんだぞ!
夏よ!待ってくれ~~。
by koubouquest
| 2009-08-28 12:23